2016年2月3日 LocalSolverチーム ROADEFで講演
2016年2月10日-12日にフランス・オワーズのコンピエーヌでフランス オペレーションズ・リサーチ学会が開催されました。LocalSolverチームはこの学会に参加できたことを光栄に思います。LocalSolverチームはこの学会に重きを置き、この機会に新リリースするLocalSolver6.0を初公開いたしました。次世代-ハイブリット型・数理計画ソルバーの最新機能をご紹介するため、LocalSolverチームは2回の講演行いました。
LocalSolverを使ったセット-ベースモデリング機能
Thierry Benoist氏、Julien Darlay氏、 Bertrand Estellon氏、 Frédéric Gardi氏、Clément Pajean氏、Romain Megel氏
LocalSolverは大規模最適化問題向けのヒューリスティク・ソルバーです。共通の数理的演算子を使って最適化問題を作成することで、LocalSolverは実用的な時間で高品質な解を提供します。様々な最適化技術を統合したことで、標準のコンピュータで実行した場合、最大数百万変数まで拡張することができます。LocalSolverの強みの1つは、LocalSolver独自のパワフルかつ表現豊かでありながら簡単に取得、記述できるモデリング・フレームワークです。実に、演算式(合計、積、三角関数)または論理式(比較、条件文、配列のインデックス付け)を含め、通常使用する数理的演算子のほとんどを使用できます。その結果、問題を線形化する必要がありません:ユーザーは、ダイレクトかつ自然な形で自身のモデルを記述することができます。
当初、このモデリング機能は数値的意思決定変数のみをベースとしていました。(バイナリ、整数または連続変数)このアプローチ法への極めて重要な拡張は、制約プログラミング・セット-ベース変数からヒントを得て、ハイレベルな意思決定変数の導入を2015年に行いました。最適化問題の多くは優先順位付けや順序付けの概念を持ちます:スケジューリング、経路選択、ネットワークデザインなど。このような最適化問題に対し、新しい種類の変数は従来の変数に比べ(自社製品比)より簡単に、より多くにコンパクトなモデルを生成します。この変数の値は数字ではなく数字の集合です。詳しく説明すると、リスト変数list(n)は集合{0,1,2,….n-1}の部分的な並べ替えを表現しています。このプレゼンテーションでは、この新しい変数型がいかにして、経路選択問題やスケジューリング問題を含む数多くの最適化問題に対し、非常に簡単かつ有効なモデルを生成するのかを説明しています。
LocalSolverを使ったBlack-box最適化
Julien Darlay氏
LocalSolverとはInnovation 24が開発した革新的な次世代-ハイブリット型数理計画ソルバーです。LocalSolver6.0(最新リリース)の新機能の1つに、Black-box関数の最適化機能が追加されました。このような問題における目的関数の解析形式は知られていませんが、ユーザーは各解を評価するためにこのアルゴリズムを使います。例えば、物理的なプロセスをシミュレーションするために、このアルゴリズムの呼び出そうとしたとき、呼び出しに時間が掛かるケースを考察してみましょう。
高価なBlack-box関数(Expensive black function)を最適化するためにLocalSolverで使ったアプローチ法は、H.M. Gutmann氏が導入し、A. Costa氏とG. Nannicini氏がRBFOptソフトウエアに近年導入したRBF関数(放射基底関数)のメソッドを使用しています。このアプローチ法では、目的関数はBlack-boxへの各呼び出し後に複数の連続するモデルにより近似されます。最適化は多様化(探索域の新しい部分を探索)のフェーズと強化(部分的最適化の探索)のフェーズ間で変動する変動アルゴリズムを使って行われます。双方のフェーズともに目的関数のモデルに基づいた非線形問題の解から構成します。
これらの解は基本的なLocalSolverエンジンが担います。このメソッドの主な機能は新しい非凸モデルの利用および探索空間の最善な範囲を許可する多様性フェーズです。Costa氏と
Nannicini氏で使用した500例題で実行した数値実験の結果はデフォルト設定のNOMADソフトウエアの全実行より優れ、かつRBFOptとの競合を示しています。
Caisses d’EpargneおよびCrédit Foncierに関する現実世界の不動産財務計画最適化
この論文では、リテール・バンキングに関する数理計画最適化アプリケーションを説明しています。扱う問題は、住宅ローンの組合せ問題です。規模が小さい問題のため一見、簡単な問題に感じます。しかし、この問題は実践の場で求解を困難にしている組合せと非線形の双方を持ち、異種の意志決定変数(ブール、整数、実値)を結合かつ、複雑な論理的数値の制約式が含まれています。さらに、解は顧客に財務的解決策の申し込を担当する販売員に数秒内で提供します。LocalSolverがどのように効率的にこの問題を解くかについて解説していいます。フランスの大手小売銀行の一つであるCaisse d'Epargneの系列店Credits Foncier(銀行代理店5,000店舗、延べ2500万人の顧客)では数ケ月におよび最適解に基づくLocalSolverを配置します。
LocalSolverを使って現実世界の最適化問題において得た結果を示す2つのプレゼンテーションをROADEF 2016のプログラムで紹介しました。
・Eメールマーケティング広告のスケジューリング
Julien Autuori氏、Cedric Hervet氏、Nourredine Tabia氏
(画像編集・資料ダウンロードページURL)
・コンタクト・ポイントの最適配置に関する複数期間戦略
Julien Autuori氏、Cedric Hervet氏、Nourredine Tabia氏
・ヨットの風向計のモデリング:LocalSolverを使った実験
Audrey Cerqueus氏、Marc Sevaux氏、 Hugo Kerhascoet氏、Johann Laurent氏
・海上風力発電地帯の電力ネットワークのモデリング
Quentin Gautier氏、Jean-Frédéric Charpentier氏、 Christophe Claramunt氏、 André Rossi氏、David Guyomarc'h氏