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[整理No.019]
「スループット会計とABC」についてT.Corbettの論文

9月に発行されるOR学会誌に「ABCとTOCの特集」が載ります。小生も3人のライターの一人として「ABCとTOCその対立と矛盾」というペーパーを書きました。そこで、あらためて、いくつか本や論文を読みました。その一つがトーマス・コーベットのこの論文です。T. Corbettは、有名な"Throughput Accounting"を書いた人です。彼は、この本が、いまだ、邦訳されていないので、いらいらしているようです。日本の読者も同様に、彼の本の邦訳を待ち望んでいるようです。そこで、彼の許可を得て、このペーパーを翻訳し、toc-japanに載せることにしました。(小林英三)(2003年7月25日記)


Reprinted/translated with permission of Journal of Cost Management. Copyright 2003 RIA. All rights reserved." Source of Original Paper: "Throughput Accounting and Activity-Based-Costing: The Driving Factors Behind Each Methodology" Journal of Cost Management, January/February 2000.

スループット会計とABC
二つの方法の背後にあるドライビング・ファクター(世界観)

トーマス・コーベット
Journal of Cost Management, January/February 2000
MSI 小林英三訳


この論文は、下記のように、トーマス・コーベットの許可を得て翻訳したものです。

Dear Eizo,
I am glad you liked my paper. Please feel free to translate it. Please include the note: "Reprinted with permission of Journal of Cost Management. Copyright 2003 RIA. All rights reserved." Thanks, Tom


エキュゼキュティブ・サマリー

  • ABCとスループット会計(TA)についての議論は、通常、短期、長期の意思決定についてのプロセスに焦点を合わせ議論されますが、もっと重要なポイントは、実は、ある会社が、どのような管理のパラダイム(世界観)を持っているかです。
  • この二つのシステムのそれぞれについての批判は、特定の会社の持つ世界観、すなわち、自社の運営方式、および、カルチャーに照らして見た場合、適切であったり、そうではなかったりします。
  • 有効な意思決定を行うには、個々の会社は、ABCとスループット会計のそれぞれが基礎を置いている「ドライビング・ファクター(世界観)」に照準を絞って考えなければなりません。会社は、自分が操業している環境をどのように知覚しているかにより、それに応じて行動するものであり、それに基づいて、ものごとの良し悪しを測定します。

本文

スループット会計(TA)は、制約理論に基づく管理会計システムです。このスループット会計は、ゴールドラットの小説「ザ・ゴール」により、広くしられるようになりました。ゴールドラットは、原価計算を厳しく批判していますが、その批判は、伝統的な原価計算に止まらず、あらゆる原価計算方式を、その批判の対象としています。彼によると、製品に原価を配賦するという概念は間違いであり、人々をして、誤った意思決定に導くと主張しています。

ゴールドラットのスループット会計に関する見方は、多くの人たち、とくにABCの擁護者から、批判されてきました。この意見の相違は、より有効な管理会計システムはどのように設計されるべきか、ということについての議論を生みました。長い議論のあと、ABCの擁護者の一部の人々も、部分的にゴールドラットの意見に同意したように思われます。これらの人々は、ゴールドラットの考え方は短期的な意思決定には有効であると言っていますが、長期的意思決定には、原価は製品に配賦されなければならない、と主張しています。この妥協は、これまでのところ、一般に認められたソリューションであると考えられています。

この論文では、この議論の焦点が、実は、短期、長期の意思決定に関するものではなく、会社というものをどのように見るか、という基本的な前提に関するものであることについて論じます。換言すれば、会社の業績はどのようにしたら改善できるか、ということについての基本的な理解の中身により、経営者や経理責任者は、ABCを選択したり、TOCを選択したりします。この論文では、ABCとTOCの根底にある前提が、180度異なる両極端なものであることを論じますが、このことは、経営者や経理責任者は、ABCとTOCの両方の主張に同意することができないことを意味します。

例えば、TOCは短期的な意思決定に有効であり、ABCは長期的な意思決定に有効であると言われていますが、このことの意味は、企業業績を改善するために、二つの対立する方法を使うべきであると言っていることを意味します。すなわち、短期の意思決定にはTOCを、長期の意思決定にはABCを使うという考え方です。この考え方は正しいと証明できるのかもしれませんが、この結論は、この主張の根底にある前提や思考の論理が明示的、明確に詳述されてからのみ受け入れられるべきものであることは言うまでもありません。

そこで、まず、スループット会計の根底にある考え方、主な批判、および、スループット会計についての基本的な誤解について説明し、続いて、ABCとスループット会計が準拠する前提を詳しく述べ、それに基づき、なぜ、議論が短期、長期の意思決定の問題ではなく、会社が持っている管理のパラダイムであるかについて述べます。また、これら二つの方法論の間の基本的な相違を、例を使って説明します。

制約理論(TOC)

スループット会計を理解するには、まず、TOCの根底にある基本概念を理解しなければなりません。TOCでは、会社は、それがどのような会社であっても、一つのシステムである、と考えます。この場合、システムとは、相互に依存関係にある「一組の要素」であると定義します。ここで、各要素は、なんらかの形で、他の要素に依存しており、このシステムの全体的な業績は、すべての要素の共同努力に依存しています。TOCの最も基本的な概念の一つは、システムの制約の果たす役割の認識です。

「システムの制約は、以下のような言葉で表現されるもの以外のなにものでもない。すなわち、システムの目標に比較し、その業績を、一層、高くすることを妨げているものは、それがなんであっても、システムの制約である。…そして、現実には、どんなシステムも、ごく、わずかの制約しか持っておらず、…また、同時に、どんなシステムも、必ず、最低、一つの制約を持っている。」1

システムが、一つも制約を持っていないと、その業績は無限大になる筈です。ゴールドラットは、このことを基本的な前提として置き、進行中の改善プロセス(process of ongoing improvement:POOGIとも呼ばれる)を考案しました。このプロセスは、TOCという方法論の基盤ですが、このプロセスは、次の5つのステップを持っています。

  1. システムの制約を識別(identify)する。
  2. このシステムの制約を、どのように徹底的に利用する(exploit)か、を決める。
  3. その他のすべてのものを、この決定に従属(subordinate)させる。
  4. システムの制約を高める(elevate)。
  5. ここまでの4つのステップで、システムの制約が打破されたら、ステップ1に戻る。しかし、「物ぐさ」により、次の制約を発生させてはならない。

このような観点から、ゴールドラットは、マネジャーが正しい意思決定を行うには、次の3つの質問に答えなければならない、と言っています。すなわち、

  1. わが社は、どれくらいのお金を生み出しているのか。
  2. わが社には、どれくらいのお金が拘束されているのか。
  3. わが社を運営するには、どれくらいのお金を使わなければならないのか。

これらの尺度は、直感的に明白です。ここで必要なことは、これらの質問を正式に定義することです。

ゴールドラットによる正式な定義は、以下のものです。

  • スループット- システムが、「販売(生産ではない)」を通じてお金を生み出すレート
  • 資産-システムが販売を目的に購入したものに投下したすべてのお金
  • 業務費用- 投下したお金をスループットに変換するために費やすお金

スループット

スループットは、会社に入ってくる新しいお金です。

スループットには、二つの要素が含まれています。すなわち、「売上(revenue)」と「真の変動費用(totally variable costs)」です。ここで、「変動(variable)」、および、「費用(cost)」という言葉を使うと、原価計算で使われる尺度と混同されがちです。ここでの基本的な要素は、疑いなく、totally という言葉です。そしてその意味は、販売数量にしたがって変動するという意味です。真の変動費用は、製品をもう1個販売すると発生する費用です。判りやすい例は、原材料費です。製品をもう1個販売すると、会社には、その製品1個分の原材料費が発生します。他にも、業務の性質により、真の変動費用と分類されるものもあるでしょう。生産量の変化に、直接的に比例して変化するものがあれば、それは真の変動費用です。その製品のスループットを計算するには、これらの費用も、売上金額から差し引かなければなりません。3

ある製品のスループットは、その製品の価格から、真の変動費用を差し引いたものです。会社のスループットは、すべての製品のスループットを合計したものです。スループット、資産、業務費用のうち、スループットのみが、製品と関連付けて認識されるものです。

資産

TOCのこの尺度は、資産が仕掛品在庫、最終製品在庫を指す場合、伝統的な原価計算の尺度としての資産とは大きく異なります。TOCでは、製品に付加価値を付けません。「なんの付加価値ですって?製品の付加価値です。重要なのは、製品ではなくて会社なのです。したがって、『会社に付加価値が生じるのは、いつの時点なのだろうか』と問いかけてみて下さい。それは、製品を販売したときです。販売する1分前でも、付加価値は発生していません。製品に付加価値があると考えることは歪められた部分最適です。」4

業務費用

「在庫から付加価値を取り外すことは、お金の出費がないということを意味しません。」5 業務費用は、「機械の歯車を回すために、継続的に機械に投入される」6ために用意されたすべてのお金である、と直感的に理解されます。業務費用の分析は、ケースバイケースで行い、そのボトムラインへの影響を把握すべきです。よく見られる誤りは、TOCでは、業務費用を固定的なものであると考えてしまうことです。TOCは、これらの費用を固定的であるとか、準変動原価であるというようには分類していません。TOCで重要なのは、ある費用が、完全に変動的なのか、または、完全に変動的ではないのか、ということです。

TOCを使うとき、純利益(NP: net profit)、および、ROIと、マネジャーの日常的な意思決定を結びつけるには、これらの3つの尺度があれば十分です。下のフォーミュラを見れば、その関係が分かります(T:スループット、I:在庫、OE:業務費用)。
NP = T - OE
ROI = (T - OE)/I

ROIに好ましいインパクトを与える意思決定は、会社をその目標に進めます。「あるアクションを評価するとき、尺度は、1つではなく、3つあるのだということを忘れてはいけません。そうでないと、非常に破壊的で、ひどいアクションが取られてしまいます。これは、最終的な判断は、尺度それ自体ではなく、これら3つの尺度の関係に基づくものでなければならないことを意味します。」7

これは、まさに、スループット会計が行うことで、したがって、スループット会計では、製品に費用を配賦しません。ある意思決定が、会社のNPやROIに与えるインパクトを測定するには、原価を計算する必要はありません。これがスループット会計の基盤であり、そこでの前提は、健全な意思決定は、この3つの会社レベルの尺度を調べることで行える、というものです。これから、重要なポイントが導かれます。すなわち、「スループット会計が提案する3つの尺度への影響についての質問に答えることで、有効な意思決定が、その結果として生まれると信じられるとするなら、たとえ、原価を配賦する方法が改善され、同様に、有用な情報をもたらしてくれるとしても、これらの方法は必要ではない。」

スループット会計への批判

TOCの使うスループット会計への最大の批判は、スループット会計が短期についてのものであるという批判です。「TOCは、…スループット会計が解こうとする問題が与えられている場合、説得力があり、また、正しい。このとき、この問題は、会社の持つ資源が決まっており、次の期間の費用が、原材料費以外は、決まっていて、製品が既に設計されており、販売価格も決定され、顧客からのオーダーも判っているとき、どのようにしたら、スループットが最大になるかという問題である。」8「われわれは、TOCの根底にある前提が妥当ではない、とい言っているのではない。これら(の前提)は、TOCが解くように設計されているような問題、すなわち、短期的な製品ミックス、および、ボトルネック資源のスケジューリングの問題の持つ現実の優れた近似である。」9

この見方は、非常に狭い見方で、多分、TOCが生産スケジューリングへの適用でもっともよく知られていることによるものでしょう。しかし、スループット会計は、単に、会社の持つ資源が決まっており、次の期間の業務費用が決まっていて、製品が既に設計されており、販売価格も決定され、顧客からのオーダーも判っているときに、スループットを最大にするためだけのものではありません。上で述べたように、スループット会計は、以下の3つの基本的な質問に答えるために使われるものです。すなわち、

  • この意思決定を行うと、スループットにどのような影響をあたえるか。
  • この意思決定を行うと、在庫にどのような影響をあたえるか。
  • この意思決定を行うと、業務費用にどのような影響をあたえるか。

TOCは、これらの三つの質問に答えると、どのような意思決定であっても、その意思決定が会社の収益性の与えるインパクトが予見できる、と前提しています。ここで決して忘れてはならないポイントの一つは、これらの質問に答えるには、どんな費用であっても、それを配賦する必要がない、ということです。

もう一つの誤解は、TOC概念の一つ、業務費用についてのものです。「この観点で見ると、業務費用は販売された製品や顧客サービスについて行われた意思決定に関係ない。」10TOCでは、費用は意思決定により発生する、と考えます。つまり、TOCの概念に沿って会社を運営しているとき、費用の変動を分析する時点は、意思決定を行うときです。このとき、TOCでは、意思決定により発生するインパクトは、業務費用ばかりでなく、スループットと在庫(または、資産)にも発生すると考えます。こうして、スループット会計では、個々の意思決定を行う際、これらの3つの尺度へのインパクトを念頭に、その意思決定を分析しなければならないと考えます。

TOCでは、意思決定が会社全体のスループット、在庫(または、資産)、業務費用に与えるインパクトは、個々の意思決定のケースごとに確認できると前提します。この前提により、製品と関連づけて費用の変動を測定するためのアクティビティやコストドライバーを見出す必要性が除去できます。もっと正確に言えば、意思決定に関連づけて、会社のスループット、在庫(または、資産)、業務費用の変動がどのようになるかを分析しなければならない、という主張です。スループット会計では、その特徴として、会社の業務費用とスループットを明確に分離し、そうすることにより、より迅速で、より有効な意思決定が行えるようにします。

スループット会計の論点は、スループットのみが製品に跡付けられる、ということです。決して業務費用を製品に跡付けるようなことをしてはいけません。業務費用は会社の費用であって、製品の費用ではありません。業務費用は、会社がスループットを発生させるために必要な資源を利用可能にするために支出する費用であり、スループットを発生できる機会(opportunity) を象徴するものです。会社は、できるだけ有効な方法で、この機会を掴まなければなりません。このことを念頭に、会社は、業務費用を増大させることなく、これらの利用可能な資源を使って、スループットを増加させなければなりません。

会社は、自社のキャパシティを監視する必要があります。会社は、どこに自社の制約があり、どこに使われていないキャパシティがあるかを把握していなければなりません。この情報を持っていると、会社は業務費用を増やすことなく、スループットを大きくできます。なぜなら、この会社は、生産数量を増やし、製品の多様性を大きくするための柔軟性がどこにあるかを知っているからです。

会社は、自社のシステムの制約を管理しなければなりません。そして、キャパシティの限界を、意思決定のプロセスで考慮しなければなりません。システムのキャパシティの限界は、システムの制約であり、したがって、システムのキャパシティを、より一層、効果的に管理するには、会社は制約を識別し、コントロールすることが必要となります。システムの制約を管理することにより、会社は費用をコントロールし、スループットを増大できます。

部分最適と全体最適

ABCとTOCの根本的な違いは、ABCは、システムの部分部分での効率性を高くすると、それにより、システム全体の効率性も高くなると主張していますが、TOCはそう主張していないことです。換言すると、ABCは、すべてのアクティビティの利用を最大化する(すなわち、部分部分での高い効率性を実現する)と、収益性が高くなるという仮定に基づいています。その結果、ABCは、すべての資源とアクティビティの使い方に関するデータの収集を求め、すべての資源とアクティビティが効率よく使われていることを確かめようとします。

これにたいして、TOCの反論は、システムのあらゆるところで高い部分効率性を追求するということは、会社をシステムとしてみる見方とは相容れないというものです。TOCは、会社を一つのシステムとして見ますが、その結果、TOCの考え方で運営されている会社は、強い全体的な業績を維持できます。しかし、この会社は、自社内のあらゆるところでの高い部分効率性を追求しません。例えば、もし、会社を一つのシステムと考えるなら、あらゆる資源とアクティビティの利用を最大化することは望ましくありません。なぜなら、一つのシステムの中には、制約となっている資源やアクティビティと、制約になっていない資源やアクティビティの両方が存在しているからです。高い部分効率が求められるポイントは制約でのみです。制約になっていない資源やアクティビティが高い部分効率性を持つとは、もともと、考えていません。制約になっていない資源やアクティビティは、その持つ潜在的な能力を使い、全体的な業績が満足なものになるよう使われるべきです。

意思決定に際しては、会社の資源やアクティビティの間に存在する相互依存関係を考慮しないといけません。「それぞれに役割を持っている、会社内の多様な部門が行う目的達成のための努力は、単純に足し算できません。各部門が行う努力は相互に依存的です。ある部門が、他への影響を考えずに、自部門のゴールを達成しようとすると、他の部門を殺しかねません。ある構成要素の義務はシステム全体に貢献することであって、自部門の生産、利益、販売、その他の効率尺度を最大にすることではありません。構成要素のあるものは、システム全体を最適化するために、自部門の尺度を犠牲にする行動をとる必要があります。」11

ABCは、部分的にですが、このシステムという概念に沿っています。ジョンソンとカプランは、「JITの生産方針も、個別の作業員の生産数量や機械の使用可能時間のような、伝統的な部分業績測定尺度を無効(invalid)にする」12と言っています。しかし、JITの生産方針は、伝統的な部分業績測定尺度を無効にしたのではなく、妥当(valid) なものではないことを示しただけです。上述のシステムの概念によると、伝統的な部分業績測定尺度が妥当なものではないだけでなく、部分部分の高い効率性の追求を刺激する業績測定尺度は、それがどんなものであっても、妥当なものではないということになります。

ABCのコストドライバーは、マネジャーをして、活動の連鎖の中のすべての環(すなわち、すべてのアクティビティ)の使用を最適化するように仕向ける部分効率尺度であり、そうすることにより、全体の最適化を実現しようとするものです。ABCの考え方を使い、マネジャーは、すべてのアクティビティの効率性を最大にしようと試みます。製品原価の概念は、このような高い部分部分の効率性の追求から生まれるものです。

ABCの擁護者は、あるアクティビティの効率をよくすることにより、以下のようなことを、将来行えるような機会を創造しているのだ、と主張するでしょう。

効率性を高めた結果として得られる未利用キャパシティを削減することにより原価を低減する。

これらの未利用キャパシティを使って、より多くの製品やサービスを販売して、スループットを増大する。

ここでのポイントは、たしかに、このような機会を創造しているかもしれないが、そのことは、生産システムの業績の改善に必ず結びつくということが保証されないことです。それだけではなく、場合によっては、後で見るように、部分の効率性を高めることにより、利益に悪影響を及ぼしてしまうことすらあります。したがって、部分の効率性をよくすることは、全体の業績をよくすることにつながると確信できる場合にのみ行うべきことなのです。「部分の効率性をよくすることは、全体の業績をよくすることにつながると確信できる場合にのみ行うべきこと」というのは真実ですが、かりに真実でないと考えると、上の主張に従って、将来での潜在的な全体業績改善を目指し、あらゆるところで部分の改善が行われ、マネジャーの努力が分散されてしまいます。13

製品原価と高い部分効率の関連- 一つの例

下に示す例を見れば、この製品原価という概念が、高い部分最適の追求につながっていることがよく理解できます。この例の場合、この会社には、A、B、Cという三つの資源しかなく、また、それらの原価は同一です。ここで資源Bは、市場需要を満たすだけのキャパシティを持っていません。また、この会社は、「イエロー」と「ブルー」という二つの製品を販売しています(表1を参照)。

表1 単位:ドル

製品 イエロー ブルー
価格 80 90
原材料 35 53
単位当りスループット 45 37

「…製品の原価は、その製品を生産し、顧客に届けるのに必要なすべてのアクティビティの原価の合計である」14ことが判っているので、製品の原価を低減するには、関係するアクティビティの使用レベルを低めることが必要となります。

現在のこれら二つの製品の生産/販売ミックスは、一週間当り、イエローが100個、ブルーが130個で、これらの生産に資源Bの利用可能なキャパシティは、すべて使われています。この製品ミックスは、一週間当り、9,310ドルのスループットを生みます[(100x45)+(130x37)]。この会社の業務費用は、一週間当り9,000ドルなので、純益(NP)は、一週間当り310ドルになり、年間(52週)では、16,120ドルになります。この会社の在庫は320,000ドルなので、ROIは、5.04%です。

このデータを前提として、二つの提案を分析しましょう。最初の提案(提案1)は、資源Cでの製品ブルーの処理時間を、部品1個当り15分から12分に改善する提案です。この改善には、8,000ドルの投資が必要です。これにより、資源Cの効率性が改善します。

二つ目の提案(提案2)は、製品ブルーの部品の処理の一部を資源Bから資源Aに移行する提案です。これにより、製品ブルーの処理に必要な資源Bでの処理時間が、1個当り21分から20分へと1分間だけ少なくなります。同時に、資源Aでの処理時間が3分だけ増え、7分から10分になります。この改善にも、8,000ドルの投資が必要です。換言すると、この提案の場合、資源Bの効率性は高まりますが、資源Aの効率性は大きな影響を受けます。

これら二つの提案を、原価計算のレンズ、スループット会計のレンズで見る前に、それぞれの提案の重要な点について考えましょう。表2に示されているように、これら二つの方法論は、意思決定を別の観点から行います。表2に示されているように、原価計算では、原価の低減に焦点を合わせ、ある意思決定が全体的なスループットや原価に与えるインパクトを考慮しません。それにたいして、スループット会計は、全体的なスループット、業務費用、資産がどうなるかを考慮します。以下では、これら二つの提案を、これら二つの方法論では、それぞれ分析をどのように行うかを見ます。

表2 意思決定を行うため行う分析

原価計算 スループット会計
1.単位当りの原価低減に焦点を絞る 全体的な原価低減のみを考慮する
2.スループットへのインパクトを考慮しない スループットの増大に焦点を合わせる
3. 効率性の向上は、それがどんなものであってもよい、と考える スループットを増大させるか、全体的な費用を低減させる効率性向上のみを考慮

原価計算は、提案1をどのように見るか

最初の提案を実行すると、資源Cでの製品ブルーの処理時間が、部品1個当り15分から12分になり、3分間だけ短縮すると考えます。すなわち、3分間だけ資源の効率性が増し、これにより、製品原価が下がると考えます。表2で見るように、原価計算を目的とする方法論では、製品原価を下げることが決定的に重大であると考えます。

それでは、製品原価を下げると、会社の収益性はどうなるのでしょうか。もしある製品の原価が低くなれば、どのようなことが期待されるのでしょうか。勿論、会社の収益性がよくならなければなりません。したがって、原価計算を目的とする方法論では、提案1は、受理される可能性が大です。

スループット会計は、提案1をどのように見るか

スループット会計(TA)では、まず、制約資源と制約でない資源を区別します。システムの制約を識別しないと、TAを適用しようとしても、どれがよい意思決定であり、どれがよくない意思決定であるかを決定できず、そして、次の三つの質問に答えられません。

  1. スループットへのインパクトはどれくらいか。
  2. 在庫(または、資産)へのインパクトはどれくらいか。
  3. 業務費用へのインパクトはどれくらいか。

この例では、資源Bがシステムの制約です。そして、提案1は、資源C(制約でない資源)での製品ブルーの処理時間を短くさせるものです。この場合、上の三つの質問への答えは、以下のようになります。

  1. スループットへのインパクトはどれくらいか。→この意思決定は、会社のスループットを増大させない。
  2. 在庫(または、資産)へのインパクトはどれくらいか。→会社の資産は、8,000ドルだけ増大する。
  3. 業務費用へのインパクトはどれくらいか。→会社の業務費用は、(10%の定額償却を前提として)年間で、800ドルだけ増加する。

スループットが増大せず、かつ、業務費用が年間800ドルだけ増加するので、この会社の純益は、800ドルだけ小さくなります。こうして、会社の純益は、年間で、現行の16,210ドルから15,410ドルに悪化します。資産が8,000ドルだけ大きくなるので、ROIも、5.04%から4.67%に落ちます。したがって、スループット会計のレンズを通して見た場合、この提案は受け容れられません。

このケースの場合、資源Cは制約資源ではなく、したがって、キャパシティに余裕を持っています。このことは、製品の処理時間が短くなる、すなわち、効率性が向上したとしても、このことは、会社の収益性を向上につながらず、単に、この資源の余裕を増大させるに過ぎないことを意味します。

要約すると、製品原価を低くしても、そうすることで、スループットを増大させることなく会社全体の費用が増大し、その結果、会社の収益性も悪化してしまいます。

上で見たことは、部分の効率を向上させようとすることにより、会社全体の費用を増大させてしまう一つの例を示しています。こうして、ゴールドラットは、彼の継続的改善プロセスの三番目のステップが、他のものをすべて制約に従属させなさいといっている訳です。換言すると、制約でない資源を制約資源のリズムに従属させなさいと云っているのです。会社が、制約資源のキャパシティ以上に生産しようとすると、それは、費用を増大させ、その会社の収益性を悪くするだけです。したがって、ここで、一つの重要な結論が得られました。すなわち、費用をコントロールしたいなら、あらゆるところで効率性向上を行おうとするようなことをしていけない、という結論です。

原価計算は、提案2をどのように見るか

提案2は、ある資源での、ある製品の処理時間を1分だけ短縮し、同時に、別の資源での、この製品の処理時間を3分だけ長くします。その結果、この提案は、この製品の処理時間を、合計で2分間だけ長くします。したがって、この製品の原価は高くなります。製品原価が高くなるので、原価計算は、この提案を拒否するでしょう。実際問題として、原価計算を重視する組織風土を持つ会社では、このような提案は、(明らかに拒否されるので)決して行われません。

スループット会計は、提案2をどのように見るか

提案1についての分析は、全体像を示すものではありませんでした。全体像を示すには、提案2についても、スループット会計のレンズを使って分析しなければなりません。提案2を実行すると、製品ブルーの制約資源(すなわち、資源B)での処理時間が、1分だけ短縮されます。しかし、この提案を実行すると、同時に、この製品の制約でない資源での処理時間を3分間だけ長くしてしまいます。こうして、合計では、この製品の処理時間が2分だけ長くなります。そして、前に見たように、これは製品原価を高くするものです。

これは、この会社の収益性を悪化させるのでしょうか。答えはノーです。その理由は、資源Bがシステムの制約だからです。したがって、資源Bから負荷の一部を資源Cに移すことにより、システムのスループットが大きくなります。これは、制約資源である資源Bの生産が増えるからです。前に見た三つの質問に答えることで、この提案が会社の収益性に与えるインパクトを正しく判断できます。

  1. スループットへのインパクトはどれくらいか。→この意思決定は、会社のスループットを増大さる。なぜなら、制約資源の時間を、ある程度、解放するから。この解放された時間を使い、生産量を大きくできる。現行の生産ミックスには、130個の製品ブルーが含まれているので、解放される時間は130分となる。こうして得られた時間を使い、製品ブルーを生産すると、製品ブルーの生産量は一週当り6.5個だけ増産できる(製品ブルーの資源Bでの処理時間は、1個当り20分)。この6.5個は、年間(52週)で、12,506ドルの追加的なスループットを生む。
  2. 資産へのインパクトはどれくらいか。→会社の資産は、8,000ドルだけ増大する。
  3. 業務費用へのインパクトはどれくらいか。→会社の業務費用は、(10%の定額償却を前提として)年間で、800ドルだけ増加する。

こうして、この提案の、これら三つの尺度へのインパクトが数量化されると、会社は、提案が、会社の収益性を増大させるものかどうかの検証が行えます。スループットが12,506ドル増加し、業務費用が800ドル増加すると、会社の純益は、年間で、11,706ドルだけ大きくなります。資産の増加は8,000ドルですから、この投資のROIは、一年で約146%です。そして、NPが11.706ドルだけ増加するので、総額は、16,210ドルから27,916ドルに増加します。資産も8,000ドルだけ増加しますが、ROIは、5.04%から8.51%へと改善されます。したがって、スループット会計を使っている会社は、この提案を採用します。

学んだレッスン

提案1を採用して実行したとすると、資源の効率性が高まり、したがって、製品原価も下がりました。しかし、そうすることによって、会社の収益性も低下しました。

この例は、製品原価という概念は、ある意思決定が会社の収益性に与えるインパクトを示すものではないことを示しています。会社にとり、部品当りの単位原価が低いことは望ましいことです。なぜなら、このことは、会社のすべての資源が効率的に使われていることを示しており、このような状態は、全体的な利益を高めると確信しているからです。

しかし、前に見たように、この確信の元となっている仮定は誤っています。部品当りの単位原価が最小化されても、会社全体としては、

  • 必ずしも、費用を最小化しない。
  • もしかすると、費用を大きくしているかもわからない。
  • これらを目的とする行為が、スループットに与える影響を把握していない。

ある会社が製品原価を使って意思決定を行っているとすると、この会社は、それらの意思決定が、どのようなインパクトを、全体的な業務費用、在庫(または、資産)、スループットに与えるかを知らないで意思決定を行っていることになります。このような状態では、この会社は、意思決定が、会社の短期、長期の収益性に与えるインパクトがどのようなものであるかを決して知ることはできません。

製品原価という概念は、収益性の公式の中のたった一つにしか注目していません。すなわち、業務費用です。しかも、その注目の仕方は、会社全体の費用ではなく、製品原価のみ注目しています。このことは、前に見たように、製品原価が低くなり、しかし、製品原価が低くなったにもかかわらず、会社全体の費用が増大したり、減少しなかったりすることがあることを確かめていないことも意味します。換言すると、製品原価という概念は、収益性の公式の、スループットに関連する部分を考慮しないだけでなく、会社の全体的な費用をも考えに入れていないことを意味します。この概念は、意思決定の製品原価へのインパクトを、全体的な視点なしに、部分部分でのみ考慮する概念です。したがって、製品原価を意思決定のベースとした場合、意思決定が会社の短期的、長期的な業績にどのようなインパクトを与えるかを決して知ることはできません。製品原価という概念が生むマイナス効果は、この概念が、「部分部分での高い効率性は全体での高い効率性をもたらす」という仮定の反映であるという事実の結果です。前に見たように、この方法論では、会社の資源のすべての効率性を最大化すると、システム全体の効率性も最大化されると信じられています。

しかし、この見方は、会社を組織として観る見方とは相容れません。システム全体としての高い効率性を達成しようとすると、組織を構成している個々の要素の効率性を最大化することはできません。「よく最適化されたシステムの例は、よいオーケストラである。各演奏者は、聴衆の耳を惹きつけるために、プリマドンナとしてソロを演奏することを目的としてそこにいるのではない。彼らは、お互いに助け合うために演奏に加わっているのだ。個々の演奏者は、国の中の最高の演奏者である必要はない。」15

二つの方法論の根底にあるドライビング・ファクター

ABCは、短期では、業務費用は生産数量やその他のコストドライバーが動くのにともなって変化することはないが、長期的には、これらの変化に対応して変化すると主張しています。

…固定費は生産にとり必要であるが、製品や生産に関する意思決定には影響されないという考え方を取り除かねばならない。実質的に、すべての製品原価は、それなりの適切な時間の長さを念頭に考えれば、変動するということを認めるならば、すべての間接費の発生した理由を理解しようと努め、これらの費用を発生させたアクティビティを突き止めることが必要になる。このとき、我われは、固定費を無視したり(直接原価計算アプローチ)、通常、機能不全的(dysfunctional)な、恣意的なベース(全部原価アプローチ)により配賦するような、これまで行われてきた伝統的なルールを捨て去らなければならない。16TOCは、間接費は会社の採る意思決定に影響されないとは主張してはいません。上述のように、スループット会計を使って意思決定を行うとき、その意思決定が如何様なものであっても、その意思決定が三つの尺度、すなわち、スループット、在庫(または、資産)、および、業務費用に与えるインパクトがどのようなものかを計算しなければなりません。実際のところ、1995年に、Noreen、Smith、Mackeyが行った調査によると、TOC環境では、間接費は、生産数量が増えたり、製品が多様になったりしても、増加していないことが報告されています。「我われが訪問し、調査したサイトのマネジャーの殆どは、数量が増え、製品の多様性が増しても、業務費用を減少させるか、レベルを維持することができた、と断言した。この事実は、数量、製品の多様性が間接費に与える影響に関して、ABCの文献の中で断定的に言われていることを考えると、まさに、驚きである。」17

ABCでは、すべての費用は、長期的には変動するので、健全な意思決定を行うには、長期的な製品原価を識別しなければならないと言われています。確かに、長期的にみると、費用は変動するので、この事実は、直接原価計算で行われるように無視してはいけません。過去において固定費と呼ばれていたものの多くは、実際には、増大しつつあった費用でした。しかし、同時に、このことから、健全な意思決定を行うには、長期的な製品原価を計算しなければならないと信ずることは正しくありません。

上で見たように、製品原価は、会社の収益性には関係がありません。製品原価が大きくなっても会社の利益も大きくなり得ます。さらに、製品原価が小さくなっても、会社の利益が小さくなってしまうこともあり得ます。ここまで見てきた概念によれば、このような結果は、短期的、長期的に関わりなく起こり得ることです。

TOCがこのように結論づけるのは、TOCには、短期であろうが、長期であろうが、会社は、いつも少なくとも一つの制約を持っている(そうでなければ、利益は無限大になってしまうが、そうはならない)という、TOCの基本的な前提があるからです。制約は、一つの資源やアクティビティから別のものに移ったり、市場が制約になったり、…という具合にその位置を変えます。制約の位置が識別されていないと、会社の業績は大きくは改善されず、また、会社は、短期的、長期的なコストをコントロールできません。

長期を対象とする場合でも、制約を識別し、コントロールすることが必要です。会社は、長期的には、すべての資源が等しく重要であると考えて、制約を無視してはいけません。会社は、現在の制約をモニターし、そのキャパシティを追跡し、また、将来の制約がどこになるだろうかを認識していないといけません。

ABCは、この考え方に合意していません。それに代わって、ABCは、コストドライバーという概念を持ち、あらゆるところで、部分部分の効率性を大きくしようとします。ABCの擁護者は、TOCは短期的な意思決定には満足のゆくものであるけれども、長期的な意思決定には向かないと主張します。すなわち、短期では、会社の持つ制約の数は限られたものですが、長期では、そうではないからというわけです。こうして、ABCでは、長期では、会社の資源は、すべて、等しく重要である、ということになります。ABCの見方に従うと、鎖の例を使って言えば、鎖の長期的な強度を大きくするためには、鎖を構成しているすべての環を強くしなければならないと主張しているのです。しかし、TOCの見方は、鎖の強度は、その一番弱い環で決まると強く主張しています。これは、同時に、鎖全体としての強度は、その一番弱い環の強度を強くすることによってのみ大きくできるということも意味します。

ABCが、製品の長期的な原価を計算する必要があると言うとき、これは、長期では、会社のすべての資源、すべてのアクティビティが制約になると言っていることを意味します。これが、実は、なぜ、ABCが、長期ではあらゆるところでの部分での効率性を高くすることが、会社というシステムのためになると信じている理由です。

こうしてみてくると、議論の焦点は、短期と長期の意思決定というよりも、この二つの方法の根底にある前提ということになります。これらの前提はこれらの方法論が持つ世界観を象徴し、そして、この二つの方法論のドライビング・ファクターとなっています。そして、会社が世界をどのように観るかによって、行動が変わり、尺度も変わってきます。

したがって、TOCを短期的な意思決定に、そして、ABCを長期的な意思決定に使いなさいというとき、ここで論点は、「会社は短期では少ない制約しか持たないが、長期ではそうではない」ということが本当かどうかということになります。これの意味することは、会社の短期的な業績を向上させるためには一つの方法を使い、長期的な業績を向上させるためには、短期に使う方法とは、まったく、逆の方法を使いなさいと言っていることになります。換言すると、短期では、会社の持つすべての資源の効率を最大にするべきではなく、しかし、長期的には、会社の持つすべての資源の効率を最大にしなさいといっていることになります。

TOCは、この結論に同意しません。TOCでは、会社というものは、短期であろうと、長期であろうと、一つのシステムであると考えます。したがって、もし、会社の財務部の専門家が、会社は一つのシステムであり、システムには制約はたくさんはないという見方に合意するなら、これらの専門家はスループット会計のみを使うべきです。しかし、もし彼らが、長期でも、「システムには、制約はたくさんはない」という見方に合意せず、かつ、「あらゆるところで高い効率性を実現すること」が全体的な業績にとってよいことだと信じるならば、長期的な意思決定にはABCを使うべきでしょう。

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