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TOCコミュニケーション広場

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[整理No.017] 「TOCで儲かる会社へと変身したK社」

本稿は、TOCの原点のような素晴らしいサクセスストーリーです。出所は、西研究所発行『MG経営』 NO.65です。

転載許可をお願いしたところ、西研究所の西順一郎所長、および、木村あゆみ氏、清水信博氏より、快く、転載の許可を頂きました。各位に厚く御礼を申し上げます。

西研究所は、清水氏などとともに、全国の中小企業のマネジメントの方々に、昔から、スループット会計に基づく経営を勧めてこられました。また、中小企業に、TOCに基づく経営も勧めてこられ、成功例も出ています。そして、西順一郎氏、清水信博氏は、全国に、沢山の信奉者を持っておられます。

ソフトパワー研究所・所長
清水 信博

いま話題の新潟県柏崎市に本社を置くK社という製造会社の社長夫人、木村あゆみさんよりTOC成功の貴重な報告が届いたのでご紹介いたします。

赤字が出ていた頃

社長が交代して、今まで勉強してきたMG経営を活かして何とか利益を上げようと頑張ってみましたが、毎月赤字続きでした。しかも、毎月税理士の先生と話をしていても、「何が悪いのでしょう?」と頭を抱えるばかりで、「赤字からの脱却」には至りませんでした。

そんな時にMG仲間の間で流行りだしたのが、「TOC―制約理論」でした。とにかく必死だったので、「すぐに黒字に、、、」なんて言葉にすぐ飛びつきたくなりました。

まず私が商工会議所・青年部の例会で清水さんの講習を受けてみました。すると、まさに目から鱗で「ボトルネックさえ見つければ、すぐに黒字になるかも」とゲームや講習を通してピーンときました。実際、受講後すぐに結果が出た会社が身近にあり、「我社も今度こそ!」という気持ちがあったのです。

TOC導入・最初の一歩

とにかく、在庫を持たないことを徹底してやろうと思い、会社に戻りました。生産能力に合わせて、材料仕入れも考えてやってみたら工場内に原材料がころがっている現象はなくなりました。しかし数字は?といえば、全く変わらない。かえって売上が減るという、悪い現象がおきてしまいました。困ったので、今度は休日を使って会社全体で「TOC」の勉強会を実施しました。TOCなら日頃機械ばかりにつかまっている社員たちでも飲み込めると思ったからです。

またまた清水さんに講師をお願いし、一日たっぷりと勉強しました。講習の最後には社員たちと「我社にとってのボトルネックは何か?」を話し合いました。この時の全員の意見は一致していて、皆「マシニングセンター(最終工程)だよ」と言いました。ではそのボトルネックを解消するにはどうしたらよいか?について話し合ったところ、「配置転換する」「段取りが終わったらあとはパートに機械を回させる」などの建設的な意見が飛び交いました。

早速、週明けの社内で「TOC」を導入しての試行錯誤が始まりました。しかし、やはり一ヶ月を締めてみると、また赤字。しかもまた売上が下がり、さらに悪い方向へと進んでいったのです。

会社の移転とリストラ

そんな時に偶然ですが、会社が移転することになりました。たまたま今までの場所を住宅地として購入する会社が現れたのですが、TOCを勉強していたので、会社を小さくすることにためらいがなくなったのも、タイミングが良かったのかもしれないのです。

1000坪の土地から250坪の土地に移転することになり、工場も3分の1になりました。

この機会に社員は思い切って半分にしました。F(固定費)をダウンすることで、楽に仕事をしたいという想いからでした。リストラした社員は、一番年長の汎用機械(手作業で仕事をする機械)で作業をしている職人さんと第一工程担当のワーカー、仕上げ工程のワーカー、事務一人と、パートの女性2人の計6人。

一方、頻繁に動かすマシニングセンターとNC旋盤のプログラムを組める人は残しました。そこでリストラした人間の穴埋めは誰がやるのか?緊急課題でしたので、管理の方は私一人であたり、ワーカーの穴埋めは社長がすることになりました。

これにより、大幅な固定費ダウンで、粗利総額の高い良い仕事を選別して取ることができるようになりました。今までは、汎用機につかまっていた職人を遊ばせておくわけにもいかず、粗利は少ないし、オーダー数量も少ない割の合わない仕事をとってきては、彼にまかせていました。それがなくなったわけですから気を使わずに儲かるように変わってきたのです。

真のボトルネックを見つけたらこう変わる

また、第一工程に社長が入ることで、社長は何時間残業しても、夜通しかかっても、第一工程の前に材料が山になっていれば、それをせっせと次工程にまわしていきました。

すると、すいすいと仕事が回りだし、あっという間に完成品置き場に売品が積みあがっていくではないですか。

製造リードタイムが非常に短くなった、いうのを実感しました。この月からです。移転後の一月を締めたら、利益がドーンと出たので、今度こそ正しいやり方を見つけたのが立証されたのだと思います。

しかもこれまで多かった催促やクレームの電話が皆無に近くなったのには驚きました。

本当のボトルネックは、第一工程だったのです。第一工程を以前担当していた社員は、体が弱く、休みがちで、仕事は正確にこなすのだけれども、とにかく仕事が遅いのがネックでした。彼の前にどんなに材料が山積みになっていようとも、残業はしないし、スピードを上げようと努力するタイプでもありませんでした。

今は、社長がそこを担当することで、次工程へと仕掛品はどんどん流れて行きます。それを第二工程以降の人たちはせっせとこなすので、まさにTOC講習の時にやったゲームのように面白いくらい固定費を掛けずに粗利を稼ぐことができます。

仕上げ工程の担当者もリストラしましたが、その人の仕事は、その時々で時間のある人が配置転換して穴埋めをしています。

私自身、今まで経理だけをやっていればよかったのですが、事務員をリストラしたことで、すべての管理を一人で賄うことになりました。それでもまだ時間に余裕があります。

こうして、ようやく勉強したTOCが役に立ち、利益の出る会社になってきました。

木村あゆみ/清水信博

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