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TOCコミュニケーション広場

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[整理No.007] 投稿 匿名
伝統的標準原価計算とTOCスループット

【質問】

このHPを読んでTOCについて理解を深めることができました。伝統的な標準原価計算で生産性を測定することの恐さがよくわかりました。

そこで疑問が生じたのですが、もし標準原価計算をやめてTOCに移行した場合、製品の販売価格はどのように設定するのでしょうか?

確かに製造間接費の配賦が恣意的にせよ、製品の販売でインップトを回収するのであれば、やはり原価計算で各製造原価単位レベルでの費用構造を明らかにする必要があるのではないでしょうか?

[整理No.007] 投稿

製品の販売価格とは、本来、市場がその価値を認める価格に設定されるべきです。これだけの原価が掛って、それに販売管理費を乗せて...という考え方はプロダクトアウトの考え方に基づき設定される価格であり、それが市場に認められるかどうかは、あくまでも市場が決めることです。 重要なことは、貴社で製造・販売している商品が、制約となっている資源をどれだけ使用して、スループット金額(販売価格から真の資材費を差し引いた金額)がどれだ け得られるか?単位時間当りのスループットレートがどれだけあるのか?と言うことに注目して販売戦略を決める必要があります。 TOC(制約理論)には、「有名なPQ問題」というものがあります。これは、プロダクトミックス(どの商品をどれだけ販売したら得られるスループット金額が最大になるか?ということを論じている物です)をどう設定するか?と考える必要があります。

また変動費と固定費を分析しないと損益分岐点がわからず、製造計画や利益計画も立てられず、会社としての予算が策定できないのではないでしょうか?

【回答】

変動費をどう見るか?ということになりますが、TOCのスループット会計では、減価償却費や固定労務費(正社員の給料)を短期的(1年)に見た時に生産の変動にかかわらず固定的に発生する費用として「業務費用」という扱いで固定費の扱いをします。スループット会計では、変動費は、資材費・残業費・正社員以外の労務費といった、本当の意味での生産量の増減に比例して増減する費用のみを変動費として取り扱 います。おのおの商品のスループット金額を算出し、できるだけスループット金額(スループットレート)の高いものを積極的に販売して行くというのが製造計画・利益計画の本来のあるべき姿であると考えます。この見方をすると、本来儲かっていると思っていた商品がじつはあまり儲かっていず、儲からないと思っていた商品が実は企業のスループット(キャッシュフロー)に貢献していると言うことがあります。

まずは、変動費・固定費の中身を再度ご検討いただくのがいいと思います(上記PQ問題と同じです)

また標準原価と実際原価の差異分析による改善活動ができないのではないでしょうか?

【回答】

改善活動と言うのは、「企業の利益に貢献する」必要がある、ということはご理解いただけると思います。あらためて「制約」と言うことに注目して見てみると、(制約工程以外の)すべての工程で全力を注いで改善活動を行うということが「企業の利益に貢献している」といえるでしょうか?実は、制約工程に関する改善活動は企業利益に直接貢献しますが、それ以外の工程での改善活動は直接的には貢献度は低くなります(場合によっては全くの無駄になってしまうこともあります。但し、従業員のモラ ルアップ、スキルアップという意味合いでは必ずしも無駄とは言えませんが)TOCでは、「原価」に注目した改善活動は必ずしも「企業の利益」に貢献するとは考えず、「スループット金額を向上する」「在庫を減少する」「業務費用(固定費)を減少する」ということに注目して改善活動を進めます。この意味で差異分析が必ずしも企業にとって最良の改善活動の「起点」ではないと思います。

更に、財務諸表を作成するにはやはり標準原価計算が必要ではないでしょうか?

【回答】

財務諸表を作成する場合には、従来の原価計算の方法を踏襲する必要があります。

従って、スループット会計は「管理会計」として活用し、標準原価計算は「財務会計」として活用するという2本立ての使い方が必要になります。

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